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【ざっくりキャリアセミナー】第一回:コーチに競技力は必要か

まいどです。
アスレティックトレーナーの田子です。

前回までは現在のスポーツやトレーニング指導を生業にするまでを書きました。

今回からはしばらくそれに基づいて【これからスポーツに関わる仕事】を目指したい人に向けて,私が得た経験から出した結論について書いていきたいと思います。

題して【ざっくりキャリアセミナー】(‘ω’)

あくまでも私の意見にはなりますが,多くの業態を経験したからこそ【自信を持って伝えられること】について書きたいと思っています。

その第一回は『コーチに競技力は必要か』です。

あくまでも競技を指導するコーチ(以下,指導者とさせて下さい)を指しています。
海外ではスキル(技術)コーチとも言われていますね。

トレーナーやストレングスコーチはトレーニングルームが担当ですが,グラウンドで選手を技術指導する役割です。

はじめに

結論から出しちゃいますがw

 

 

 

競技力そのものよりも「高める過程で得たこと」が最も重要だと思います。

 

ただ競技力があれば指導者になれるかと言えば,残念ながら多分違うと思います。

よく我々の分野では「名選手・名指導者にあらず」と,必ずしも高い競技レベルだった人がそのまま指導者として大成しない……という言葉もあります(もちろん良い指導者の方もいます)

これ,私が言っちゃうと負け惜しみに聞こえそうで嫌なんですがw

プレイヤーとしての実績があった方がそのまま引退後良い指導者になっている訳ではありません。
また,私のように”そうなれなかったから”指導者を目指すという方も多いでしょう。

なので,あくまでも今回は「競技経験に自信がない子(=田子)」でも”スポーツ指導者”を職業に出来た15年間で感じた経験を詳しくお話ししたいと思います。

それではよろしくお願いします(´・ω・`)

1.脳筋ダメ、ゼッタイ

よくある身近な例でいくと,学生時代(高校・大学)で全国大会レベルで活躍した元選手が,卒業後にコーチを始めたいとします。

しかし,きちんとしたスポーツ指導の知識(トレーニング理論など)や,コーチング方法を学んでいない状況では「競技について他の人より”少しだけ”詳しい人」を脱するのは難しいのではないかと考えています。残念ながら。

なのでもし今後スポーツ指導を仕事にしたいと思っている人は,自分がやるスポーツばかりに打ち込むのではなく,スポーツにまつわる基本的な知識(トレーニング理論の他,解剖学や生理学・栄養学……さらにはビジネス感覚など)を身に着けてチャレンジして欲しいと思っています。

特に既に体育大学などに通っている学生には声を大にして伝えたいです。

スポーツ大好きなだけの脳筋ではダメなんです。

これは,スポーツ業界が正しく発展していく上で必要だと感じています。

 

 

どういうことか説明します。

きちんとした【指導ライセンスが無い状態でコーチが出来る】……つまり,我々の業界を【ライセンスの価値が無い世界線】にしてしまうと正しく教育を受けたスポーツ指導者が増えず,ひいては国内のスポーツ指導全体の質がいっこうに上がりません。

誰でもなれちゃうってなると人材の質はどこの業界でも下がるので(´・ω・`)

そして,職業としてのスポーツ指導が確立していかない要因のひとつになっていきます。
(他にも,興業としてのスポーツが未発達でスポーツで達成できる資金調達が非常に少ないのも大きいです。要するに市場規模が小さい……)

特に日本国内ではこのへんをあいまいにしてしまっているので非常にいびつなスポーツ市場になっています。ぶっちゃけ稼げてない指導者が多いんですね。


例えば,子どもの指導では発育発達の観点からトレーニング強度や難易度を調節する必要があり,動作構造を深く理解していなければならない

だから学校現場(教員)にアマチュア(学生)スポーツのほとんどが行ってしまい今しわ寄せが出てしまっているわけです。

「スポーツコーチ」を職業として確立させませんか?

一緒に業界をけん引したいという野心のある方,田子はめっちゃ待ってますw いやマジで。そんな骨のあるヤツがいたら雇いたいレベル

2.プレイヤーとして”工夫”した経験は指導で役に立つ

もう一つ大切なことこととして,自身でのスポーツ経験は成功も失敗も含めて【どれだけ工夫してプレイヤーをしていたか】が大切になると考えています。

高い競技レベルを有していた元選手はスタート時点でアドバンテージがある部分があるでしょう。
例えば,”わざ言語”や”身体知(しんたいち)”といったコツや感覚,デモンストレーションの際身体能力が高いので役立つでしょう。
これは私自身が一番欲しくて止まないモノです。なのであくまでひとつのアプローチとして競技を出来るだけ続けています。


デモンストレーションという観点だけでなく,身体が動くうちは選手と一緒に様々なトレーニングを経験してアイデアを膨らませています。

スポーツが上達する際に,指導者からの指導だけを忠実に守り,成績を出すことは素晴らしいことです。

しかし,指導者を目指す方はそこに『自分なりの工夫』を多くしている方が将来他人に指導をする際に断然有利になると私は考えています。

指導者になってからも工夫がたくさん必要ですので,思考力が高い方が向いている……という言い方も出来るでしょう。

残念ながら学生スポーツで得れる経験はその競技のごく一端です。

卒業後一線でプレイヤーを続けないにしても選手時代以上にその種目について理解を深めていくことが大切だと思っています。

大学院に残り研究活動を通じて競技動作への知識を深めている方もいらっしゃいます。非常に理論的な指導をされる場合が多いです。
競技スポーツについて深く学びたいという方にはひとつ薦めたい進路のひとつです(もちろん研究室次第ですが…)

ただ,個人的には身体が若いうちは自分の身体で色々試して欲しいとは思います。
コーチングを学ぶことで自身の競技力に変化が出ることだってあるでしょう。

スポーツの楽しさを教えるレクリエーションレベルの指導でもそのスポーツの魅力を最大限に伝えるために,“工夫した”プレイヤー経験は必要だと考えています。

これはスポーツや運動指導に関わらず全ての分野で言えることですね☺

まとめ

専門技術を指導するコーチで,自身の競技が上手くいかなかったことを活かして指導した選手に良い環境を提供するために,試行錯誤をする指導者はきっと良い選手を育てることが出来るはずです。

競技力が高かった元選手も
現役時代の経験や自身感覚だけに頼らず,そのスポーツ種目に対して正しい知識と理解を得ること。
現役時代から,または指導者になってからも創意工夫を怠らないこと。

これが私が15年間で色々な指導者と関わった中で感じたことになります。

今後,スポーツ指導者を目指す方はこれらを少し意識して自身のキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか?

正しく安全に,そして楽しくスポーツを広めていける指導者が少しでも増えていければきっと国内のスポーツ環境はもっと良くなると信じています。

2020年5月2日
田子政昌

田子 政昌

-たご まさあき-

パーソナルトレーナー、ランニングコーチ、かけっこ・陸上教室事業の運営、執筆業、モデル業など、幅広く活動中。2020 年にパーソナルトレーニングジム VITALIZE を設立。誰にでも【 わかりやすい 】 そして 【 楽しい 】 レッスンを常に心がけ、子どもから高齢者、運動初心者から日本代表アスリートレベルまで幅広くトレーニング指導を行っている。