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【ざっくりキャリアセミナー】第二回:運動に関わる業種紹介をするよ!(その⑤)

まいどです。
アスレティックトレーナーの田子です。

遂に5回目になってしまったよ。
大長編だな……(^q^)

前回までの分は

【その①】 【その②】 【その③】 【その④】

でご覧ください。

さて,いよいよ今回で本シリーズを最終回にしたいと思います。
……と思ったのですが,ちょっと長くなってしまったのでまとめ部分を後日番外編として掲載しました!(2020/5/19)

ラストは,『関わる』という点では少し視点を変えた職業をいくつか挙げていきたいと思います。

運動・スポーツに関わった仕事をしたい方がいたとき少しでも参考になるように,
また,私たちの業界について誰かが少しでも興味をもってもらえれば幸いです。

それではいってみましょう(‘ω’)ノ

9.研究者(大学職員など)

と,いうことで一見『研究者』ってなんだよwww
って思う特に中学生・高校生は多いかと思います。

実はスポーツや運動・健康産業の発展に研究職の方々もとっても寄与しています。

 

例えば,私がメインとしている陸上競技では,1991年に東京で世界陸上が行われる際に,陸連の科学研究チームが結成され当時のトップ選手の動作を熱心に分析しました。

2001年には国立スポーツ科学センター(JISS)がつくられ,その後隣接する形でナショナルトレーニングセンター(NTC)が完成したことにより高度なスポーツ科学の研究やトレーニング環境づくりが今日行われています。


いつ見てもとんでもねぇ施設だと思うわ……w

では,そもそもそういった先端の分析は誰が行っているのでしょうか?

それは,大学の教授だったり,その門下生である准教授・助教授だったり,大学院生だったりします。
(他の分野や,後述のメーカーでは商品開発のための研究チームなどもあるとは思いますが…運動・トレーニング分野の研究を専門に行う企業は私はあまり聞いたことがありません💦)

もちろん現場の指導者の知見も大きな功績となりますが,彼らの分析や研究によって今国内で行われているスポーツトレーニングがあると言っても過言ではないでしょう。

また,これからも日進月歩で進んでいくと思います。

 

『トレーニング』分野においても,やはり過去はスポーツ現場で伝統的に行われてきた『経験論』が主流で,特に日本では古来から行われている(武術などの)訓練と合わせて先人の方々が手探りでパフォーマンスを伸ばすために切磋琢磨していました。

やがて,先述のとおり陸上競技など国際競技力に差がが出てくると『日本人がなぜ勝てないのか』と躍起になって研究を始めます。

そこで必要となってくるのが【動作分析】と【エビデンスのあるトレーニング理論】というわけです。
並行して,スポーツ傷害の研究や,栄養学など,あらゆる分野がスポーツのレベル向上のために研究されました。

つまり,【効果がある】方法をしっかり定めることで,遠回りをせずそして確実にパフォーマンスを高めていく方法を探していくことが研究者の仕事の一つとなります。

そして,それらの結晶が現在も行われているトレーニング理論をつくる礎(いしずえ)となっているわけです。

 

しかし,残念なことにこれらの研究の成果が今現在スムーズにスポーツ現場に活かされているかというと問題点もあります。

例えば,

研究したデータ(論文)が広まっていない(もしくは結論がデフォルメされて間違った認知をされる)。
データ収集を行ったが,選手へフィードバックがされない(あるいは時間がかかっている)。
対象が限定的で,スポーツ現場や対象者が変わった際に本当に効果があるかが懐疑的

このへんでしょうか?

私自身,研究を盛んにしている鹿屋体育大学に在学中,【より深く理解すること】だけでなく,それを【スポーツ現場に還元する】ということをしたいと大学院進学を目指した際に考えていました。

もし,先端を開拓し,新しい理論を創り出す……というフロンティアスピリッツ旺盛の方は是非大学院からの大学職員(研究職)を目指していくのがオススメです。

これからも,誰かの行った研究が,私自身の指導で役立てることが出来たらいいなと思っています。

逆に,私たち現場の指導者ももっと研究職の方々と連携して最先端の理論を教授してもらいながら,使える情報をうまく現場に広めていくことが今後目指されるべき研究現場とスポーツ現場の関係なのではないかと,個人的には考えています。

指導者・トレーナー各位,もっと論文読もうな!(何)


私のいた鹿屋体大は授業でも本格的な実験室なんかも使えてもっと使ってみたかった機材がたくさんありました。
写真は大学院生のパイセンの指導のもと暑熱環境下での瞬発的運動能力の変化について調べてる私たち

10.プロスポーツ選手

さて,敢えて最後の方にもってきました。

スポーツや運動に関わる仕事……ということで一番夢があるのがプロスポーツ選手ですよね。

我々昭和生まれの世代orz では小学校の卒業アルバムで男子の1/4くらいは野球かサッカーの選手とか書くんじゃないでしょうか?

因みに田子はなぜか自衛官と書きました\(^o^)/

日本では古くから大相撲をはじめ,プロレスやボクシングといった格闘技,野球がプロスポーツの主流で,サッカー…そして近年ではバスケットボールもプロリーグが出来るなど『プロ』スポーツの門戸は広がりつつあるようです。

とはいえ,まだまだ歴史の浅い日本のプロスポーツ業界。

様々な問題もありますがここでは『賃金』『セカンドキャリア』という点について書いていきたいと思います。

 

そもそも,日本のスポーツはプロスポーツが盛んな欧米諸国に比べてアマチュアリズムが非常に大きいようです。

要するにスポーツは娯楽であり,または体育教育の手段だった訳です。

指導者やトレーナーの市場が未だ小さいのと同じで,スポーツにお金を投資する文化が希薄だったわけですね。

しかし,戦後テレビの普及で上記の格闘技や野球に関しては『興業』として成り立つと企業が資金を投入してくれるようになりました。

当時のスポーツは戦後復興の日本の高度成長を支える国民の諸外国への反骨心というか,何か心を一つにするものがあったのかもしれませんね。

スポーツを感動的なドラマとして扱いやすいのもあるのかもしれません。

ところが,どうもお金がからむ面では特に他種目では中々どうして格闘技や野球のように上手くいってないように思えます。

 

 

① スポーツ選手にまつわる『お金』について

先に現実だけ言うと,今ほとんどのスポーツ種目は稼げてません。

 

 

ゴメン💦 夢のないこといってしもうて。
でもトレーナー業界もそうなんだけどこれが現実なんだよね。

超々一部の人だけが稼げるけど『現実的に目指せる職業』になっていないのが正直なとこなわけ。

 


少し古い資料(スポーツジャーナル2011夏号)ですが💦
毎年年棒がニュースになる野球選手は年収400万円台(要するに手取り額はもっと少ない)が最低となりますが,他のスポーツの場合は契約形態により一般的なサラリーマンよりも年収が低いプロスポーツ選手は少なくないと思います。

サッカーも一部のJクラブのみ。
バスケットや野球の独立リーグ,女子のチームスポーツでも財政状況が厳しい種目が多いようです。

一部の方が突出した個人競技など(特に相対的に競技人口が少ないマイナー種目)はもっとかと思います……
陸上競技などは近年成績向上によりちょっとだけスポンサーがつきやすくなったように思えますが,2021年以降はどうだかって感じです(´・ω・`)

 

これはまず,先述の通りスポーツ自体が娯楽や教育の一環だったため,『興業』としてのスポーツが立ち遅れていることも大きいと私は考えています。

要するに,スポーツイメージが(野球や格闘技が例外的であって)アマチュアリズムで出来てしまい,スポーツを利用して何かを生み出す……ということが遅れてしまったわけですね。

 

ちなみに,日本ではプロスポーツリーグがないぶん独自に企業チーム(実業団)ということで企業の部活動のようなチームが作られています。
陸上競技(特に駅伝)・バスケット・バレーボール・ラグビー・アメフト…などです。

 

が,昨今の不景気によりこれらはどんどんと縮小傾向にあります。

これは企業側がスポーツイメージを活かしきれていない
そして選手側も企業の広告塔としての役割を果たしきれていない

結果,企業側が見合った利益を出していないと判断しているわけです。
(だったら普通のコマーシャルを打った方がいい)

選手側からすると『企業のメリットになる活動を出来ていない』

これではダメです。

 

そもそも,スポーツ選手にも活動費用とは別に生活がある訳ですから,会社の主たる業務を行っていなくても……要するに【ほとんどプロ】でも賃金を支払われています。

ところが,当の選手自体がお金を受け取るだけ受け取って自身の活動を通じて多くの人に何かを感じてもらう……端的に言うと【感動してもらう】という【本来の仕事】をしていない。

そんなことがスポーツ選手の仕事じゃない?勝つことが仕事?

スポーツで成績が出てればみんな喜んでくれている?

いや,そんなの一部の業界関係者だけだと思います。

ぶっちゃけ自己満足です。

 

プロスポーツ選手は試合以外でも『魅せてこそ仕事』だと思っています。
この場合,スポーツを専業としている実業団選手も一緒です。

(もちろん成績が良ければ見てくれる確率は上がりますが,そもそもTV放映がない種目はあまり意味をもたない場合もあり,今の時代TV以外にも露出媒体はたくさんある……)

そのバックに,企業やスポンサーがいる。
賃金を見返りに自分自身を広告塔にしてイメージアップ宣伝を【しなければならない】仕事です。

プレイヤーとして稼いでいく場合,自身のお金の源泉がどこにあるのかを考えていくことが重要なわけですね。

 

 

② スポーツプレイヤーのその後『セカンドキャリア』について

そして,なぜか多くの日本のスポーツ選手は引退したあとのキャリアを考えることをしていない場合があります。

要するに,スポーツを辞めたらイチから別の道へいくということです。
プレイヤーを辞めた後スポーツ業界の残れず,改めて転職活動をする…

因みに,これは学生スポーツにも当てはまっています

部活動を引退してから初めて受験勉強や就活を開始するって感じで。
また,スポーツ特待生なんかは勉強なんかほとんどせずに社会に出てくるとかもあります。

敢えて言いますが,こんな【スポーツおばかさん】が今まで様々な経験を積んで学んできた他の学生と比べてどれほど役に立つのか?というと正直良い人材は限られてくるかと思います。

どうやら海外の学生は学業とスポーツを両立している学生も多いようで,私もこれはとても好感が持てます。あくまでも学業第一

他にも,スポーツ選手が,引退後のキャリアを考え学校に通ったり,ビジネスを立ち上げたり……知名度を活かして芸能活動をする…なんてことも多く聞きます。

日本人の体質的には,現役選手がこのような活動をすると『競技に集中しろ』とかややもすると『金目当てか』といった言われようをされることもあるようですが……無責任甚だしいですよね。

前述の通り,スポーツ選手は実際のスポーツ以外の面でもイメージリーダーとして多くの媒体で活躍できる可能性がありますし,そうすべきだと私は思っています(仕事は選ぶ必要はあるかもしれませんが…)

人生をうまく【生きていく手段のひとつ】としてスポーツがあるのであれば,それを使って人生をよりよくしていく……あるいは,【スポーツ以外の人生も大切にする】という面で,スポーツ以外のキャリアを準備していく……というのはリスクヘッジをとるという意味でも現役選手の人生を守る事につながるのではないでしょうか?

 

(以下,長い余談)
尚,こんな状況でもオリンピックに出ればメダルを求められる二律背反というか……なんとも選手にとっては過酷な状況となっている場合もあります。 選手への期待値が高いんですね。

にもかかわらず,今でも一部スポーツでは国際大会への遠征が自己負担だったり,補助が出ても一部……コーチの渡航費は出ない……など非常に限られた予算で活動を継続している選手も多いです。

ということで,昨今では今までの手法に習わず独自にスポンサー探しをしたりクラウドファウンディングで資金を集めて選手活動を行う発信力のある方が増えているようです。(上手に扱えている人がどれくらいいるか分かりませんが……)

チームスポーツでも地域に根付いた活動を行う事で町興しと併せてファンづくりを行っている団体も増えてきています。(サッカーや野球の独立リーグなど)

要するに,スポーツで活動すること=サポートしてくれている人がウィンウィンであるように活動しなければならないわけです。

スポーツそのものや,自分自身の魅力をしっかり人に伝えて何かを起こせる(興せる)人になれってことですね!

本項をまとめると

スポーツ選手はスポンサーがついてるからと甘えてんじゃねぇ(#`д´)

いつかくる『選手でない人生』の時間の方が長いから準備しとけよ

といった感じでしょうか(笑)

総じて,【お前らスポーツだけしてちゃダメだぞ】ってことです(笑) 脳筋ダメゼッタイ

スポーツで稼いでいく場合,アマチュアリズムを捨てビジネス感覚も養われたプレイヤーであってほしいと思います。


田子はアマチュア選手ではありますが,チーム運営をしている以上プロ意識をもって外に出ても恥ずかしく内ふるまいを心がけているつもりです。

 

さて,全5回にまたがってお話しした『運動に関わる業種紹介』ということで,当初の予定からどんどん書き足していったら最終回の今回が最大ボリュームになってしまいました💦

で,その他の関連業種についてや,まとめの部分を切り離して別記事でアップしたのでこちらでご覧ください!(2020/5/19)

本シリーズ終了後はしばらくは単発の回なんかもして,これからも業界について思ったことや,自信の経験を活かした視点での解説を書いていきたいと思います。

2020年5月吉日
田子政昌

田子 政昌

-たご まさあき-

パーソナルトレーナー、ランニングコーチ、かけっこ・陸上教室事業の運営、執筆業、モデル業など、幅広く活動中。2020 年にパーソナルトレーニングジム VITALIZE を設立。誰にでも【 わかりやすい 】 そして 【 楽しい 】 レッスンを常に心がけ、子どもから高齢者、運動初心者から日本代表アスリートレベルまで幅広くトレーニング指導を行っている。